2009年5月1日金曜日

インフルエンザ情報

新型インフル:ほとんど軽症…投薬せずに回復 感染研推定

新型インフルエンザの警戒レベルがフェーズ4から5に引き上がったことを受け、会見する岡部信彦・国立感染症情報センター長=東京都新宿区で2009年4月30日午後2時20分、梅田麻衣子撮影
新型インフルエンザの警戒レベルがフェーズ4から5に引き上がったことを受け、会見する岡部信彦・国立感染症情報センター長=東京都新宿区で2009年4月30日午後2時20分、梅田麻衣子撮影

 国立感染症研究所は30日、今回の新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の世界的大流行(パンデミック)による感染者数の状況を推定した。感染者数が今後増加しても、多くが軽症ですみ重症例は少ない可能性が高いとしている。

 同研究所の岡部信彦・感染症情報センター長らは4月29日深夜、米疾病対策センター(CDC)やメキシコ、カナダ、イギリスなどによる世界保健機 関(WHO)の電話会議に参加。米国ではほとんどの感染者が軽症で、毎年流行するインフルエンザと同じ気道症状にとどまり、タミフルなどの治療薬を投与し なくても回復しているという。また、メキシコの重症患者は、10代から特に50代が中心で、他の病気で服用している薬による免疫低下や体力が弱まっている ことなどが原因とみられるという。

 一方、ウイルスの性質について、米国の疫学調査から弱毒性と判断した。これらから、今後、軽症者が増加しても死者や重症者は一定数にとどまると推測。日本では感染者が確認されておらず、メキシコと米国での重症者と軽症者の現状と、今後の状況を推測するグラフも公表した。

 岡部センター長は「牙をむいたような致死性の高いウイルスが国内に飛び込んでくるのとは違う。だが、過去の新型は罹患(りかん)率20~40%で、季節性を超える規模のインフルエンザがやって来るかもしれない」と対策を求めた。【関東晋慈】

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